宇田学

深山弁護士:なぜ笑ってるんですか? 大友検事正:いやぁ、君が随分得意気な顔をしていたからね、つい。ふふふ。 深山弁護士:事実が見つけられず真犯人が見つかっていなかったら、石川さんはあなた達に殺されていたかもしれない。 大友検事正:我々検察は被告人の犯罪を証明する立場にある。我々の努力の結果有罪になったとしたら、裁判所がそう判断したということだ。我々が殺したなどとは聞き捨てならないな。心外だよ。 深山弁護士:裁判所の判断に、大きな有罪のバイアスをかけるのはあなたたちですよ。 大友検事正:いやいや勘違いしている。我々は被害者のために犯罪を犯した人間を許すことはできない。この社会の正義を全うする使命がある。 深山弁護士:正義とか真実とかって言う、100人いたら100通りの考えがあるようなもの、僕は信じないですよ。ある日突然、僕はあなたたちに父を奪われた。その日を境に全てが一変した。あんたはその歪んだ正義とやらで、何人の人生を狂わせるんだよ。冤罪事件で加害者にされた人間も、犯罪の被害者なんだ。僕はその立場に立ってずっと弁護を続ける。あなたはあなたの正義というものを貫くというのであれば、僕は事実というものを信じてあなたの前に立ち続けますよ。